小児眼科
近視
近視は目の長さ(眼軸)が長くなり、ピントが合う位置が網膜の前の方になることで、遠くが見にくくなる状態です。近視の進行には遺伝的な要因や環境的な要因が大きいといわれていますが、近方を長時間見続けることで調節緊張の状態になり、視力が不安定になるお子様もいらっしゃいます。学校検診での視力検査で受診を勧められた方は放置せずに検査をお受け下さい。日常生活で不自由を感じる場合は検査の上で適切な眼鏡を処方し、調節緊張の方には目の緊張をとる目薬を処方して視力の経過観察を行います。
スマートフォンの普及やタブレット学習で近方を見る時間が増えたこともあり、小中学生の近視の有病率が増えています。強度近視は将来、緑内障や網膜剥離などの疾患のリスクにもなります。近年、可視光線の中のある波長が眼軸伸長を抑制する効果があるというデータが報告されています。日常生活では屋外活動を取り入れたり、近方を長く見たあとは目を休ませること、適切な照明の元で姿勢をよくしてものを見ることなどにも気を付け、近視の進行予防に努めましょう。